今月18〜19日にかけて流れたのが、アメリカが衛星破壊実験の禁止を発表したというニュース。
ハリス米副大統領は18日、米国は衛星攻撃兵器(ASAT)の発射実験を今後は実施しないことを確約すると発表した。中国やロシアのASAT実験により衛星の残骸(宇宙ごみ)が発生し宇宙飛行士や宇宙開発への危険性が増大したと批判、実験禁止を宇宙利用の新規範として確立する方針を強調した。
米、衛星破壊実験を禁止 衛星の残骸、宇宙飛行士に危険 | 共同通信 ニュース | 沖縄タイムス+プラス
ASATというのは、Anti-satellite weapons、衛星攻撃兵器の略語らしい。
ロシアは昨年11月にASAT実験を実施し、中国も2007年に実験した。ハリス氏は中ロの「向こう見ずで無責任な実験」が多くの残骸を生みだしたと訴えた。
米、衛星破壊実験を禁止 中国とロシアを批判 – 産経ニュース
自ら禁止を宣言するのは基本的に良いことだと思いますが、しかし過去にはアメリカ自身やったことのある実験なだけに、衛星破壊実験の実績を有する中国やロシア、それにインドからすると「どの口がそんな批判をできるのか」って感じかもしれません。
APによると、米中ロ印は1960年代から計十数回、衛星を破壊。6300個以上の宇宙ごみを生みだし、うち少なくとも4300個以上が軌道上に残り、有人宇宙飛行、科学、安全保障関連の任務、宇宙開発にとって長期的な脅威になっているという。
米が衛星破壊実験を禁止 残骸、宇宙飛行士に危険: 日本経済新聞
宇宙ごみ、スペースデブリの抑制、ひいては宇宙空間の持続可能な利用・開発に向けては、衛星破壊実験の禁止も当然のこととして取り組むべきでしょうけど、より包括的な(軍事に限らない)国際的な法規制が必要ではないかと、私は思います。部分最適と全体最適は車の両輪としてバランスよく取り組まれなければなあ……と。