「ガンダム宇宙世紀フォーラム」で少しだけ語られた宇宙開発と環境問題の相関

この記事は、宇宙開発とサステナビリティ Advent Calendar 2022の17日目の記事です。

去る9月17日、GUNDAM FACTORY YOKOHAMAにて開催されたイベント、「ガンダム宇宙世紀フォーラム」について。その開催レポート記事である宇宙ビジネスのさらなる可能性を探る「ガンダム宇宙世紀フォーラム」が開催 | ウェブ電通報が、10月7日付で公開されていたのですけど、私が注目したのが基調講演②に関するくだり:

基調講演②では、片山氏により「宇宙業界は、いかにして構想を実現化してきたか?~過去、現在、未来~」が語られた。宇宙業界がどのように実現化されていったかを過去から未来へとひもといていく中で、宇宙と宇宙ではない産業が結びつくことがもたらす発展や、宇宙のための研究が地球の問題解決へと還元されていく可能性について語った。

宇宙ビジネスのさらなる可能性を探る「ガンダム宇宙世紀フォーラム」が開催 | ウェブ電通報

記事中には詳細は記載されていませんが、大変ありがたいことに当日の模様の録画が講演単位で公開されています。そこで、基調講演②の録画をざっと拝見しました:

宇宙世紀フォーラム │ 基調講演「宇宙業界は、いかにして構想を実現化してきたか?~過去、現在、未来~」一般社団法人スペースポートジャパン 片山俊大氏

……残念ながら、それほど宇宙のための研究が地球の問題解決へと還元されていく可能性について掘り下げられてはいませんでした。火星への進出、たとえばテラフォーミングなどの研究が、地球の環境問題の解決に役立つ、というようなお話が終盤に少しあっただけかと思います。

むしろ個人的に基調講演②で興味を惹かれたのは、宇宙倫理が技術の進歩に追いついていないといった指摘です。実際、社会課題と宇宙開発の両者を捉えるうえで、倫理というのは避けては通れないと思っていまして、ゆえに研究成果報告書「社会課題解決手段としての側面に焦点を当てた宇宙開発広報の可能性に関する考察」を作成する過程では、宇宙倫理学に関する書籍を読んだりもしました。