落下した宇宙ごみで死傷事故が起きる可能性

8月20日付のニュースですが、ロケット残がい地球落下の死傷事故リスク“今後10年間で10%”という記事を読みました。

世界の宇宙開発が活発になり、ロケットの打ち上げ回数が増える中、制御を失ったロケットの残がいが地球に落下することで、今後10年間に人が死傷する事故が起きる確率が少なくとも10%に上るという分析結果をカナダの大学の研究チームがまとめました。

ロケット残がい地球落下の死傷事故リスク“今後10年間で10%”

どういう計算の結果かは、一般向けのニュース記事なので掘り下げられていませんけど、感覚的には随分と高く見積もられているな、という印象があります。

研究チームによりますと、これまでこうした事故のリスクは無視できる程度のものとされてきたということです。

ロケット残がい地球落下の死傷事故リスク“今後10年間で10%”

実際、一般の人々の認識というのも、その「無視できる程度」でしかなかったと思います。それだけに、今回の予測というのは個人的にはちょっとショックなのですけど、信憑性が高いものであれば、もっと広報されるべき内容かなとも思います。この記事が流れる少し前には、豪州農場に昨年帰還の宇宙船破片か、1年超軌道に残った後落下の可能性というニュースもありました。

オーストラリアの山間部の農地で宇宙ごみとみられる残骸が発見され、米航空宇宙局(NASA)とオーストラリア宇宙局は、昨年5月に帰還した米スペースXのドラゴン宇宙船から投棄された装備品だった可能性が大きいと発表した。

豪州農場に昨年帰還の宇宙船破片か、1年超軌道に残った後落下の可能性

残骸の大きさは写真から読み取れませんが……地面に突き刺さった状態にも見えます。これが人のいない農地ではなく人口の密集する都市部に猛スピードで落下していたら?と思うと、少しぞっとしますね。この辺りの対策なり、より精緻な研究の加速が、今後の宇宙開発の持続可能性に影響するように思います。ちなみに

NASAによると、今回オーストラリアで見つかったトランクは、昨年5月に野口聡一さんら宇宙飛行士4人を乗せて国際宇宙ステーション(ISS)から帰還したドラゴン宇宙船「クルー1」の一部だった可能性が大きい。

豪州農場に昨年帰還の宇宙船破片か、1年超軌道に残った後落下の可能性

なんと、まさか野口宇宙飛行士の乗ったクルードラゴンの一部と見られるとは……非常に興味深いです。