持続利用が可能な宇宙へ–周回軌道上のごみ拾いに取り組むグローバルベンチャー – CNET Japanを読みました。内容は、宇宙ゴミ(スペースデブリ)の問題について積極的に取り組んでいることで知られる、アストロスケール社のゼネラルマネージャー、伊藤氏の講演内容。
人工衛星は、地上の道路のように決まった軌道上を何個かの衛星が回っているため、稼働中の衛星の運用にも影響が及ぶ。軌道は資源であり、使用不能になる前に対策が必要になる
持続利用が可能な宇宙へ–周回軌道上のごみ拾いに取り組むグローバルベンチャー – CNET Japan
静止軌道については特にそうだと思うのですけど、上記の発言で印象的なのが、軌道を限られた資源として捉えている点です。複数の衛星コンステレーションがどんどん実現しつつあるにも関わらず、この認識がまだ広く社会一般には広まっていないように感じられる点で、ちょっと危機感を覚えます。
宇宙の交通整理に関するルール作りについては、国連などの国際機関や政府ごとに議論がなされていて、その他にも宇宙機関や業界団体、アカデミックなど様々なレイヤーで法整備の議論がされている。
持続利用が可能な宇宙へ–周回軌道上のごみ拾いに取り組むグローバルベンチャー – (page 3) – CNET Japan
宇宙ゴミをはじめとする、宇宙空間における諸問題が、まだあまり人類全体にとっての社会課題、環境課題として認知されていないように思われるのは、そもそも「社会」や「環境」といった言葉が指し示す範疇に宇宙が含まれていない(そのように意識が拡張されていない)ことが大きい、というのが持論ですけど、同時に宇宙利用にまつわる法整備があまり進んでいないこともまた、要因としてあるのかなと思っています。
社会課題の解決に、国や企業がそれぞれの枠組みを超えて協調・連携し取り組むには、やはりルール作りが必要で、今はまだその種の法整備の議論のための環境整備という段階にあるのかなと、個人的には感じます。