アストロスケールが軌道上の衝突回避研究のための契約をESAと締結

スペースサステナビリティ、宇宙の持続可能性について積極的に広報しているアストロスケール。スペースデブリ除去サービスが目下ビジネスの根幹ですが、3月10日付けのニュース「アストロスケール、ESAと規模80万ユーロの衝突回避マヌーバ能力強化研究契約を締結 低軌道の衛星急増に備え、GMV・OneWebとも連携し研究」において、その順調ぶりが伺えました。

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組む、株式会社アストロスケールホールディングスの子会社であるアストロスケール英国(本社:ハーウェル、社長:ジョン・アーバン、以下「アストロスケール」)と欧州宇宙機関(ESA)は本日、混雑する低軌道における衝突回避マヌーバ機能の強化研究に向けた契約を締結したことを発表いたします。 

アストロスケール、ESAと規模80万ユーロの衝突回避マヌーバ能力強化研究契約を締結 低軌道の衛星急増に備え、GMV・OneWebとも連携し研究

アストロスケールはホールディングス制を採用しており、ESAと契約をしたのは子会社なのですね。

今後10年間で、数万機規模の衛星が地球低軌道(LEO)に打ち上げられると試算されており、宇宙空間はさらに混雑していきます。このような衛星を活用した通信の急激な増加により、稼働中の衛星と運用終了後の衛星の壊滅的な衝突が起こる可能性が懸念されています。

アストロスケール、ESAと規模80万ユーロの衝突回避マヌーバ能力強化研究契約を締結 低軌道の衛星急増に備え、GMV・OneWebとも連携し研究

衛星が上がれば上がるほど、デブリが増えるリスクも高まるわけで、上記の試算はアストロスケールのビジネスにとって実に好材料と言えるでしょう。いっぽうで、アストロスケールに限らず、デブリ除去の技術開発が仮に順調に進まなくなると、宇宙環境のサステナビリティを担保する観点から、衛星を打ち上げる側に何らかのブレーキがかけられる可能性もあるのでは……と私は考えています。でないとデブリばかり増え続け、人類の手に負えない事態となりかねません。