株式会社ペールブルーが追求する宇宙開発の持続可能性

ニュースイッチの【ディープテックを追え】水で進む衛星エンジン、宇宙の「持続可能」な開発を狙うという記事で、株式会社ペールブルーが取り上げられていました。

通信事業などを目的に、企業の小型人工衛星打ち上げが活発化してきた。ただ打ち上げ数が増えるにつれ、課題も増えてきた。有毒な推進剤を使用したり、役割を終えた衛星の宇宙デブリ除去といった環境問題だ。東京大学発スタートアップのPale Blue(ペールブルー、千葉県柏市)は水を推進剤にする衛星エンジンを開発。「持続可能」な宇宙開発に向け、事業展開を狙う。

【ディープテックを追え】水で進む衛星エンジン、宇宙の「持続可能」な開発を狙う|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

環境や社会の持続可能性ではなく、宇宙開発という事業の持続可能性を追求している点で、ペールブルー社には株式会社アストロスケールと近いスタンスを感じます。

現在の衛星用推進剤はキセノンやヒドラジンなどのコストが高かったり、環境に悪影響があるものが使われる。ペールブルーは小型衛星に搭載できるエンジンを開発する。推進剤を水にすることで安全性を高めつつ、調達コストを下げる。

【ディープテックを追え】水で進む衛星エンジン、宇宙の「持続可能」な開発を狙う|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

何百機、何千機と人工衛星を打ち上げる、いわゆる衛星コンステレーションの時代においては、上記の点は極めて重要になるでしょうし、それがビジネスとして成立すると見込んでいるわけですね。

同社は水を燃料にすることに加えて、衛星の寿命を伸ばすことで持続可能性を訴求したい考えだ。22年中には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実証プロジェクトでハイブリッドエンジンを宇宙に打ち上げる予定。搭載する小型衛星の大きさに合わせて、エンジンのサイズを選べるよう開発も続ける。

【ディープテックを追え】水で進む衛星エンジン、宇宙の「持続可能」な開発を狙う|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

衛星そのものの寿命を伸ばすことで追求する持続可能性、興味深いです。衛星の製造に投入する資源を節約することにつながり、それが環境保全にもなる、というような文脈でしょうか。ペールブルー社の今後の活動に注目したいと思います。